tale と story の違い
tale と story は「話」という意味で、どちらを使っても同じ場合が多いです。真実の話も架空の話もOKで、「おとぎ話」なども、fairy tale とも fairy story とも言います。
ただ、tale と story はニュアンスが微妙に違います。
story のほうは「事実の話」や「物語」全般を指し、tale は概して「架空の話」「信じがたい話」とされます。
また、story は「小説など起承転結のある物語」で、tale は「民間伝承だったり寓話だったり、比較的短めの話」という分け方もあります。
- tale:
- 架空の話や信じがたい話
- 民間伝承や寓話などの短い物語
- story:
- 事実や架空の話で物語全般
- 小説など起承転結のある物語
といっても、さじ加減にもよるので、厳密には区別できないでしょう。
tell a tale(事実を語る)
たとえば、tell a/the tale は、「ある状況について真実を明らかにする」「真実を物語る」ことです。
主語は「人」ではなく「物事」が来ることも多く、tell its own tale と言ったりもします。「それ自身の話をする」「それ自身を物語る」です。
- The report tells a tale of corruption and abuse that has rocked the film industry to its core.
(報告書は、映画業界を根底から揺るがす汚職と虐待を物語っている) - The body language of the respective managers told its own tale.
(各監督の身振り手振りが物語っていた) - The marauding soldiers ensured no civilians survived who could tell the tale.
(略奪を行った兵士たちは、事実を語ることができる民間人が生き残らないようにした)
ひとつめの例文で、rock は名詞だと「岩」ですが、ここでは動詞で「揺れ動かす」。to one's core は「芯まで」。
live to tell the tale(生還する)
これは、意味としては「生き延びて真実を話す」。ただ、かなり大仰なフレーズなので、日常では文字通りの意味より、ユーモアを込めて使うことが普通です。
- I had to spend the holidays with my in-laws, but I lived to tell the tale!
(休暇は義理の両親と過ごさなければならなかったが、私は生還した!) - Don't worry, the drop might be a bit scary, but we'll make sure you live to tell the tale.
(ご心配なく、落下はちょっと怖いかもしれませんが、私たちはあなたの生還を確認します)
telltale(形:事実を示す)
telltaleという形容詞もあり。「事実を示す」「紛れもない」「自明の」の意味で、名詞を修飾する限定用法でのみ使われます。
- The telltale smell of cigarettes told her that he had been in the room.
(まぎれもないタバコの臭いが、彼が部屋にいたことを彼女に伝えた) - She found lipstick on his shirts ― the telltale sign that he was having an affair.
(彼女は彼のシャツに口紅がついているのを見つけた。彼が浮気をしている紛れもないしるしだ) - In every room are telltale signs of a once better life.
(どの部屋にも、かつてのより良い生活の跡がある)
telltale(名:告げ口をする人)
主にイギリス英語で、「告げ口をする人」という名詞にもなります。アメリカ英語だと tattletale。通例、子供が他の子について親や学校に告げ口する場合です。
- She has good manners, yet tends to be a bit of a telltale at times.
(彼女は礼儀正しいが、時々少し告げ口屋の傾向がある)
tell tales(告げ口する)
tales と複数形では、tell tales は、「人の秘密や悪事を漏らす」「告げ口する」です。tell tales out of school も同じ意味。どちらも、イギリス英語のやや古い言い回しです。
out of school というのは、小学生が噂話をすることから来たとか。子供たちにとって、学校側に情報を漏らすことは重大な違反だったようです。
- How did the boss know that I was late for work this morning? I think somebody’s been telling tales about me.
(なぜボスは私が今朝遅刻したことを知ったのか? 誰かが私のことを話しているのだと思う) - She had no right to tell tales to his mother!
(彼女は彼の母親に告げる権利はなかった!) - Don’t go telling tales to the teacher!
(先生に告げ口に行くなよ!)
tell a story(作り話をする)
一方、tell a story は、「話を語る」。「話」は現実に基づいた話もあれば、架空の話もあります。極端なことを言えば、「嘘をつく」「作り話をする」の意味で使ったりもします。
- She knew the child had been telling stories again.
(彼女は、その子がまた作り話をしていたことを知った) - He told us a story about the dog eating the cookies.
(彼は犬がクッキーを食べたと嘘をついた)
まとめ
ただ、必ずしも tell a tale の tale が「事実」で、tell a story の story が「作り話」なわけではありません。厄介なことに、きっちり分けることができず、線引きが曖昧です。
「おとぎ話を話す」は tell a fairy tale だし、「本当の話をする」なら tell a true story とすればOK。
また、tell its own story と its own が付くと、tell its own tale と同じく「真実を物語る」になります。
- Her face told its own story.
(彼女の顔が物語っていた) - You can pretend to be happy all you like, but the sadness in your eyes tells its own story.
(好きなだけ幸せなふりをできるが、その目に宿る悲しみが物語る)
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, The Content Authority, Collins Dictionaries, Cambridge Dictionary, LDOCE)
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