1. どうやって学ぶか?
社会人向けの学習法
英語で日常会話ができるようになりたいけれど、仕事でなかなか時間が取れない。英会話スクールを利用するのは無理。社会人の方はそんなふうに思って、学習を諦めてしまっていないでしょうか?
英語習得にはどうしても時間が掛かります。忙しい中で、できるだけ効率的に、効果的に学びたいですね。
英会話スクールや英語講座は、それぞれの学習法を持っています。講座を利用しなくても、それを取り入れてみるのもよいのではないでしょうか。独学で試せる手法なので、参考にしてみてください。
英語音声は、英語ニュースやYouTubeで簡単に手に入ります。
TOEICに差が付く? 洋画の観方
洋画や英語ニュースで英語リスニング。効果的に聴くには?
なお、例として挙げた教材については、多くが既に販売終了しています。よい教材もあったのに残念…。
- 6つの学習法:
- 聞き流し学習(リスニング)
- 倍速リスニング(リスニング)
- 英語と日本語を聴く(リスニング)
- チャンクに分ける(リスニング・スピーキング)
- シャドーイング(リスニング・スピーキング)
- 潜在意識の活用(モチベーション)
2. 英語に耳を慣らす
聞き流し学習
採用している英語講座
リスニング教材の草分け的存在の「イングリッシュアドベンチャー」。『家出のドリッピー』は初級コースで、シドニィ・シェルダンが書き下ろした物語です。
語りはオーソン・ウェルズ氏。
この方はかつて『宇宙戦争』のラジオドラマをやった時、その語り口調があまりにリアルだったため、ラジオドラマだと知らない人々が「宇宙人が襲撃してきた!」と勘違いして大騒ぎになったという逸話持ち。
引き込まれるストーリーと豪華な声優陣で、英語教材として一世を風靡しました。英語のスピードは、ゆっくりめ~普通くらい。リスニング練習にはぴったりでしょう。
通勤時間の聞き流し
「聞き流し」だけで、英語が上達するかどうかに関しては、賛否両論あります。否のほうが多いかもしれませんね。
私の場合、初めてTOEICを受けた時、スコアは300点台でした。
せめて500点は取りたくて、TOEIC対策の通信講座を受講し、教材の日常会話のカセットテープ(当時はCDがなかった)を、毎日通勤電車に乗っている10分くらいの間聞き流していました。行き帰りで、1日20分程度。
テキストはあったものの、ろくに確認しませんでした。本当に聞き流すだけ。電車の中なので、集中して聞いてたわけでもありません。
内容は難しくはないはずなのに、何を言ってるのか、当然まったく聞き取れません。分からない音の羅列で、絶望的な程さっぱりです。
英語に耳が「慣れる」
ところが、いつの間にかなんとなく会話の内容が分かるようになっていました。「ある日突然」というわけではなく、本当に「いつの間にか」。
そもそも気を入れて聞いていなかったので、何気なく英語の内容に耳を傾けたら「あれ、分かるかも」と気付いたような感じです。
もちろん、完璧に聞き取れるには程遠く、概要がつかめる程度だったけれど、とても不思議な感覚でした。自分としては大きな進歩。これが耳が慣れたということなのでしょう。
TOEICの試験も、初めは400点さえ遠く感じたのに、次に受けた時には700点近くまで取れました。
効果の有無はおそらく、英語レベルにもよります。英語初級者の方が伸びしろが大きいため、効果がはっきり表れたのかもしれません。もしTOEIC600点代の時だったら、目に見えたスコアアップはなかったかもですね。
それでも、英語で日常会話をしたり、TOEIC500点を目標にするなら、聞き流しもある程度の効果が見込めると思います。「聞き流し学習はまったく効果がない」というわけじゃありません。
まずは、耳を「慣らす」ことが大切です。
倍速リスニング
採用している英語講座
七田式の特徴は、60パターン600フレーズの英語を覚えれば話せるようになる、というメソッドです。倍速リスニングの手法で、英語音声を聴くスピードは1.5倍と3倍と、かなり速い。
特筆すべきは、「エビングハウスの忘却曲線」に基づいた記憶法を採り入れていること。
「忘却曲線」は、平たく言えば、「どれくらい早く復習すれば、どれくらい早く記憶を取り戻せるか」を示すものです。
覚えたことはどんどん忘れていきます。忘れてしまった記憶を取り戻すためにはいつ復習すればよいのか分かれば、それに合わせて復習すればいいわけです。
七田式では、1日分のレッスンを4回復習します。すなわち、記憶を定着させるためには、4回の復習が必要ということになります。
耳のマジック
耳というのは不思議で、倍速で英語を聞いた後、普通のスピードで聞くと、聞き取れなかった英語が、前よりはっきり聞こえます。
普通のスピードでも聴き取れないのに、さらに速い速度で聞き取れるはずはありません。こんなリスニング方法で効果があるのか、最初は疑問でした。
昔『エブリデイイングリッシュ』のサイトで実際に試したのですが、倍速で話される英語は、まるで壊れたテープレコーダーを聞いている気分です。これが面白いことに、倍速で聞いた後に、普通の速度の英語を聞くと、文節の区切りがどこか分かるようになりました。
意味までは無理としても、区切りの位置が掴めます。これは耳のマジックですね。スピードとしては、1.2倍速、1.5倍速、2倍速あたりが適しているようです。(なので、七田式はだいぶ速い)
「聴こえた」と「聴き取れた」は別なので、倍速リスニングだけで英語耳になるとは言えません。けれど耳を慣らし、英語の文節を掴むのに効果的です。
英語と日本語を聴く
採用している英語講座
音声は、先に左耳から日本語が聞こえ、次に右耳から英語が聞こえます。右脳と左脳の連携を図った英語教材。英語を最初に聞くという教材が多い中、和英順というのは結構レアでした。
右脳の活用
かつて画期的な英語教材だった『英脳プログラム』。それによると、ネイティブは「左脳で子音」を、「右脳で母音」を認識するのに対し、日本人は「左脳のみ」で「子音も母音」もとらえるとのこと。
左脳は意識脳(顕在意識脳)、右脳は無意識脳(潜在意識脳)と言われます。英語を英語のまま理解するのは右脳なので、圧倒的に右脳が弱い。
一時期、右脳強化というのも流行りました。ただ、右脳の開発=英語脳ではなく、手段の一つにすぎません。
周波数の違い
周波数は英語と日本語では大きく違い、日本語は「世界で最も低い周波数帯域を持つ言語」だとか。
日本語の周波数は、100Hz(ヘルツ)~1,500Hzであるのに対し、英語は、なんと2,000Hz~12,000Hzという高周波で話されています。(米語は700Hz~4,000Hzといわれています。)英脳プログラム
別の耳から時間差で聴く
こういったことを踏まえて、右脳を活用するため、英語音声と日本語音声を別の耳から時間差で聴くという手法の教材が幾つかありました。聴き方は、教材によって異なります。
- 英語と日本語を、左右どちらの耳で聞くか
- 英語と日本語の、どちらを先に聞くか
「左右どちらの耳でどちらを聴くか」と「どちらの言語を先に聴くか」。
『英脳プログラム』は「左耳で、先に英語」。『聞き流すだけで英語をマスター』は「左耳で、先に日本語」でした。
「先に日本語」は少数派で、「先に英語」を聞いて、「次に日本語」というものが多かったです。
それぞれ別の脳科学の理論に基づいているため、どっちがいいとは判断できません。実感として、その辺はあまりこだわらなくていい気がします。
チャンクに分ける
リスニングの時、一つの文をまるまる聞き取るのは大変なので、多くとも4~5個の単語からなる短い言葉のかたまり(chunk:チャンク)に区切って考えます。
『聞き流すだけで英語をマスター』では「小分割方式」、『スーパーエルマー』では「センスグループ」と言われるものです。
文節の区切りで考える
文のどこで区切ってもいいわけではなく、意味のあるかたまりで区切るのがポイント。
普通、ネイティブは会話ではチャンクを頭の中でつないで言葉にしていますが、日本語も同じでしょう。話す時は自然とそうなるはずです。
文の区切りは、話し手の息継ぎの瞬間や、どこで言葉と言葉の間を空けているかに注意して、英語音声を止めながら聞いてみてください。特に長い文の時など、だいたい意味の区切りで息継ぎしています。
よく指摘されるように、日本人は英文を文末からさかのぼって理解する癖がついてしまっています。日本語の文の構成が「主語+目的語+動詞」なのに対し、英語は「主語+動詞+目的語」。
文全体をとらえようとすると、どうしても頭の中で日本語に変換してしまいます。短く区切って考えることは、英語を英語のまま理解する訓練です。
3. 英語に口を慣らす
シャドーイング
採用している英語講座
シャドーイングに特化したスマホアプリでの英語学習サービス。
毎日課題をシャドーイングして、それを提出し、添削してもらうというものです。英語講座としては、なかなかハードで難易度が高い。シャドーイング自体、最初は本当に苦労なので、覚悟が必要でしょう。
レベルや目的ごとの教材が多数、WPMも110~200のものまで色々あり。WPMは1分間で何ワード読めるかを示す指数で、TOEIC L&Rの攻略にはWPM150必要だと言われます。
口を動かす練習
シャドーイングは、現在も多くの英語講座で取り入れられています。英語のリズムと速さに慣れ、語順のまま理解するための、頭と口の体操です。
相手の英語を聞くと同時に真似して発音します。「リピート アフターミー」というより「リピート ウィズミー」。聴きながら口を動かさないと、追い付けません。
正直、よく聴き取れないわ、口が回らないわで非常に苦労します。発音の正確さに構っている余裕はなく、ただただ話すスピードに追いて行かれないようにするだけで精一杯。
たとえ英文は聴き取れても、それをナチュラルスピードで口に出すのは本当に大変です。初めのうちは、英文テキストを見ながらの音読で構いません。慣れてきてから、テキストを見ないようにしていけば大丈夫。
口を動かすことは大変ではあるものの、だからこそリスニングが鍛えられ、英語力は飛躍的に伸びます。
5. ポジティブ思考を持つ
潜在意識の活用
学習を続ける上で、「必ずできる」というポジティブな気持ちを保つことは何より大切です。ここが崩れると、後が続きません。
潜在意識と言うと、うさんくさく感じるものの、要は上手く行くという気持ちを刷り込むこと。スポーツ選手が行うイメージトレーニングも、成功のイメージの刷り込みです。
引き寄せの法則
「引き寄せの法則」というのを耳にしたことはありませんか? 「強く思い描いた願いは実現する」という宇宙の法則です。
もちろん、ただ願っているだけでは叶いません。「願い」を達成するには「行動」が必要で、「行動」するには、「自分はきっとできる」「願いは必ず叶う」という強い思いが不可欠になります。
以下は、映画のトレーラーっぽい『ザ・シークレット』の紹介動画です。
加速学習法
実証された思い込みの効果
ブルガリアのロザノフ博士が提唱した「サジェストペディア」という教授法があります。これは、簡単に言えば、「人とのコミュニケーションを通して、脳本来の力を引き出す」というもの。
まず、安らげる理想的な環境の仮想空間を作り、学習者を心身ともにリラックスさせます。それによって、学習者はポジティブな意識を持ち、脳が活性化します。
そこで学習者の脳内に「できる自分」というアバターを作らせ、アバターになりきり、仮想空間で他者と過ごさせます。その体験で得たものが本来の自分にフィードバックされる、といった方法。
仮想空間での自分が、現実の自分に影響するようなイメージです。なんだか映画『アバター』みたいですね。
「暗示学習法」とも呼ばれる学習能力を高めるメソッドで、効果は実証されています。
ただ、サジェストペディアはそういった環境が必要なため、一人ではできません。これをベースにして、独学用にしたのが「加速学習法」です。
加速学習法は、以前英語講座にも使われていたけれど、どの講座だったか思い出せない…。
アルファ波の効用は?
潜在意識にもっとも作用しやすいのは、心身がくつろいで脳波がアルファ波の時です。
アルファ波支配の状態であれば、潜在意識への刷り込みは最大の効果を発揮し、創造力・集中力・記憶力・学習能力などが高まると言われます。実際、リラックス用にクラシック曲をBGMで流す英語学習教材もありました。
といっても、無理に脳波をアルファ波支配にする必要はなく(そもそも測りようがない)、必ずしも良い状態とは限りません。適度な緊張があったほうがよかったりもします。
その昔、脳をアルファ波支配にして学習効率を高めるという、「ド〇ターキャッ〇ポー」という怪しい機器を通販で購入しました。当然ながら効果なく、ものすごく後悔…
紹介された人もポイントが付く
一番ポイントがたまりやすく、1P=1円で還元率もいい