1. 今度こそ! 挫折しない
英字新聞は、TOEIC試験ととても相性がよいです。
英語で世界を知る楽しさなど、お勧めポイントは色々ありますが、何より英文のトピックが豊富で、多くの単語が使われています。生きた英語表現や語彙が身につくので、単語力、英語力を伸ばす最適なツールです。
ただ、途中でやめてしまうことも多いかと思います。読む時間がなくなったり、面倒になったり、英語が難しくて付いていけなくなったり。
毎日の生活に新しい習慣を取り入れるのは、大変です。学習だと考えて英字新聞に取り組むと、義務感が出て嫌になってしまいます。挫折しないためには、楽しむことが最も大切です。
メンタルリセット
まずは、モチベーションをキープするためのメンタルリセットを。
- 「継続は力なり」を信じる
- 自分をほめて励ます
3か月続けて効果が出なければ?
よく「3か月続けて効果が出なければ」「6か月続けて効果が出なければ」やめたほうがいい、など言われます。成果がないまま耐えて続けられる目安は、せいぜい6か月なのかもしれません。
私は要領が悪いので、何をするにも人の倍の時間がかかります。新卒で就職先を探していた時も、他の人の倍以上の会社を面接して、ようやく決まりました。
英語学習にしても、同じです。何年も何年も続けているけれど、流暢に話すという目標にはまだ到達していません。
でも、続けていれば、必ず報われると信じて、これからも続けていきます。
あなた自身を励ます
自分はいくらがんばってもだめ、と思って、諦めていませんか?
あなたのがんばりは、あなた自身が知っています。へこみそうになった時、「がんばったね。少し休んだら、また歩き出そう」「諦めないで。応援してるから」と自分に寄り添って声を掛けてあげてください。
どんな時も、あなた自身はあなたの味方でいてください。
2. 挫折しない英字新聞の読み方
読み方のコツを4つ挙げてみます。
- いつ読むか時間を決めておく
- 目標を立てる
- 興味のあるトピックを選ぶ
- なるべく辞書は使わない
いつ読むか時間を決めておく
たとえば、日本語の新聞のように朝の食卓で読む、通勤時間に読む、など、習慣づけるために、1日のうちで英字新聞に目を通す時間を決めておきましょう。無理にまとまった時間でなくても、スキマ時間で大丈夫です。
新聞を全部読む必要はありません。日本語の新聞も、隅から隅まで全部読む人はあまりいないのではないでしょうか。それと同じです。
最初は、1日1トピックで構いません。あなたのペースで、無理をせず、毎日続けられるくらいの分量で。TOEIC対策としては、多読が一番ですが、モチベーションが上がらない時は、1日1トピックでいいので、目を通してください。
やらない日ができてしまうと、「もういいや」になってしまいます。英字新聞を読む習慣を付けると、挫折しにくくなります。
目標を立てる
漠然と続けるよりも、何か目標を設定したほうが、やりがいが出て継続しやすくなります。
目標の設定には、TOEICが一番。「次回のTOEICでスコア500点を達成する」のように、達成できそうな目標にするのがポイントです。初めから大きな目標を立てず、達成感を味わうために、身近な目標にします。
その都度その都度達成感を得ることで、ポジティブな気持ちが保てます。
興味のあるトピックを選ぶ
ヘッドラインをチェック
では、何を読めばいいかというと、好きなトピックでOKです。トピックを選ぶには、ヘッドラインや掲載されている写真をチェック。
headline(見出し)は短いわりに、記事の内容がギュッと濃縮されています。
ヘッドラインを拾ってみて、興味を引かれれば、本文も読んでみる、そこまででなければ読まずに別のトピックを探します。ヘッドラインは凝っているものが多く、それを読むだけでも結構面白いです。
楽しめる作業を取り入れる
新聞にはクロスワードパズル、占い、カートゥーンなども載っているので、ゲーム感覚で気分転換を。
紙版なら、記事を切り抜いてスクラップしたり、デジタル版なら、スクリーンショットで保存したりして、まとめを作るのも楽しいです。英字新聞はおしゃれなデザインにもなるので、壁紙にしてもいいかもしれませんね。
読むだけでなく、そんなちょっとした作業を取り入れると、英字新聞をもっと楽しめます。
なるべく辞書は使わない
具体的に、どう読むか。辞書を引かないとさっぱり分からないような時、単語全部を調べていると、とても疲れてしまいます。
まずは辞書を使わずにざっと目を通してみて、何度も出て来る単語をチェックしてみてください。おそらく、その語が「キーワード」。
キーワードとキーワード周辺の単語を辞書で調べれば、大まかな内容は掴めます。
記事の内容がざっと分かれば、後は想像力を働かせるだけ。まずは、できるだけ早く文章を最後まで読みましょう。忙しい日々の中で、時短は重要。辞書に頼らないで読む訓練は、TOEICの長文読解のためにも必要です。
キーワードをチェックして大体の意味をつかめた後に、辞書を使って記事を丁寧に読み込みます。
単語帳を作る
調べた単語は、あなた独自の単語帳を作って書き留めます。デジタルのメモ帳でも紙のノートでも、お好きなものを使ってください。
私の場合は、ページをあらかじめアルファベットごとに区切っておいて、そこに書き出していくやり方です。DやSで始まる語は多いので、スペースを大きめに、反対にJやQは少ないので、小さめのスペースで。こんな感じです。
できれば、どんな内容でその語が使われていたのか、日本語で簡単に記しておくと記憶が補強されます。英字新聞に使われている単語はTOEICに出る確率も高いので、単語帳の作成はお勧めです。
自分で作った単語帳は、学習をがんばった証。後になって見返した時、自信になりますよ。
4. どの英字新聞がいいの?
挫折しないためには、楽しく読むことが何よりなので、高難易度のものより、少し易しめのほうが続けやすいです。
最近は紙版だけでなく、デジタル版の新聞も普及しています。個人的には紙版のほうが好きなのですが、通勤途中などスキマ時間を利用できるので、スマホで読めるデジタル版は便利ですね。
英字新聞おすすめ3選
- The Japan Times Alpha
- The Japan Times / The New York Times Weekend Edition
- 週刊英和新聞 Asahi Weekly
The Japan Times Alpha(ジャパンタイムズアルファ)
発行日: 週刊(紙版は金曜、デジタル版は日曜)
英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:初心者・中級者・上級者
長年のベストセラー
一番人気の英字新聞です。かつては『英字新聞 週刊ST』という名称で、名前はたびたび変わりましたが、安定したベストセラー。初心者・中級者・上級者すべての方にお勧めできます。
日本語の対訳や注釈付きなので、辞書なしで読める。国内や海外のニュースだけでなく、洋画やキャンパスライフなど身近な話題もたくさん。
読み物系の他、TOEIC対策や英文ライティングといった学習要素がやや強め。記事が英語レベルで分けられていて、英語学習者向けの作り。
1紙に約8000ワードの語があり、英文の量が圧倒的なボリューム。リアルタイムのニュース記事なので、TOEIC対策にも使える。
購読すると、Webサイトで英語音声を聴いたり動画講座を見たりできる。記事に合わせて内容は毎週更新。
読み方・使い方
英字新聞を読むだけでなく、英語学習誌としても使える新聞です。ニュース記事の部分だけを読んでもいいし、練習問題でしっかり学習したい人にも向いています。
対訳や注釈があるので、英字新聞に不安がある方でも一番とっつきやすいです。英語レベルが記載されているので、それを参考に記事を探してみてください。
リスニングの練習ができないことが従来の英字新聞の弱点でしたが、Webサイトで音声が聴けるのがポイントが高いです。週刊の学習講座として使えることを考えると、お値段的にもかなりお得ではないでしょうか。
Japan Times Alpha(ジャパンタイムズアルファ)を見る
The Japan Times / The New York Times Weekend Edition
発行日: 週刊(土曜日)
英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:中級者・上級者
海外発の二誌を合わせた新聞
紙版のみで、デジタル版はありません。ただし定期購読は送料無料。『The Japan Times』と『The New York Times』の二誌を合わせたものです。かつての『ジャパンタイムズウィークリー』。
ジャパンタイムズ側の記事とニューヨークタイムズ側の記事が両方読める。どちらも現地の視点で書かれた生の新聞。ニューヨークタイムズは週末版のコンテンツを掲載。
海外発の新聞のため、日本語注釈等はなし。
読み方・使い方
日本語注釈がないため、初めて英字新聞を読む方は、少し気後れしてしまうかもしれません。ただ、上で述べてきたように、まずはヘッドラインをチェックしてみて、記事を1つ読む、という風に取り組めばよいと思います。
ジャパンタイムズの記事は良質なので、難しそうだから、という理由で敬遠してしまうのはもったいないです。海外発の記事を体感できる格好の教材なので、思い切って挑戦してみてはいかがでしょう。
TOEIC受験を考えている方は、速読練習用に使えます。読んだ後、記事の要約を書いてポイントをつかむ練習をすると、文書問題対策にもなります。
The Japan Times / The New York Times Weekend Edition を見る
週刊英和新聞Asahi Weekly(朝日ウイークリー)
発行日: 週刊(紙版は金曜、デジタル版は土曜)
英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:初級者・中級者・上級者
朝日新聞出版で骨太の記事
ニュース記事主体の新聞ではあるのですが、学習誌的要素がかなり強いと感じました。英語学習や受験を意識した作り。ニュース記事は、さすがメジャーな新聞出版社で、しっかり情報を押さえたものになっています。
ニュースやエッセイの他、英作文や英文法などの学習コラムがあったり、連載小説などもあったり、コンテンツの種類が多彩。
英語学習者向け。初級・中級・上級とレベルに応じたものになっていて、どのレベルにも対応。レベルによって、和訳や日本語注釈付き。
Webサイトで、ディクテーション用の音声コンテンツが利用できる。
読み方・使い方
さまざまなコンテンツがあって、写真やイラストも満載です。英語学習者を飽きさせないための工夫が上手い。読みやすさを重視しているのがよく分かります。
学習誌部分としては、英語表現のクイズ問題や、英訳の応用問題などいろいろあります。記事を読むのをメインにして、余力があれば学習という優先順位でよいでしょう。
和訳や日本語注釈付きの記事なら、『ジャパンタイムズアルファ』か『朝日ウイークリー』になりますね。どちらがいいかはお好みで。ちなみに、私は『ジャパン…』派です。
週刊英和新聞Asahi Weekly(朝日ウイークリー)を見る
英語雑誌おすすめ3選
NewsweekとTIMEは、英字新聞扱いかもしれませんが、雑誌のほうに分類しました。体裁は、新聞というより雑誌に近いです。
- ニューズウィーク英語版 Newsweek
- TIME(タイム)
- 多聴多読マガジン
ニューズウィーク英語版 Newsweek
発行日: 週刊(金曜日)
英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:中級者・上級者
廃刊から復活した英語誌
紙版のみ、ただし定期購読は送料無料。一度廃刊になったものの、復活しました。『TIME』と似ていますが、『ニューズウィーク』の方がオーソドックスな誌面です。
アメリカ国内の発行部数は『TIME』に次いで多い。ニューヨーク発で、現地の様々な記事がタイムリーに読める。
多種多様なトピックで、国際的なニュースの他、エンタメやスポーツ、カルチャーや旅行など、独自の視点の記事やインタビューが豊富にある。専門家によるコラムや意見記事も充実。
読み方・使い方
日本語訳は一切なく英文のみのため、初手で身構えてしまう場合は、記事の写真を眺めましょう。添えられている写真から内容を想像して、ヘッドラインを読んでみてください。
ペ-ジ数が多く、記事内容が濃いです。この分量で週刊というのがすごい。ただ全部読もうとすると、90%以上の確率で挫折します。雑誌感覚で、最初にぱらぱらと目を通して、気になった記事だけ読むくらいでよいでしょう。
TOEICの長文問題を想定して、速読練習用にもよく読まれています。
ニューズウィーク英語版 Newsweek を見る
TIME(タイム)
発行日:週刊(月曜日)
英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:中級者・上級者
英語誌の定番中の定番
世界中で最も影響力のあるニュース誌の一つです。Fujisanで扱っているのはデジタル版。紙版もありますが、紙版は発行してからの到着が遅れがちなようです。発送が不安定なのかも。
TIME誌の英語は、洗練された表現で現代英語のお手本とされる。毎号、象徴的な人物、出来事、トピックに焦点を当て、独自の取材と写真でその背後にある物語を掘り下げている。
紙版・デジタル版とも、香港を拠点としたアジア版の Time Asia Edition。日本人にもわりと馴染みのあるニュースが多い。
読み方・使い方
現代の英語表現を学ぶには『TIME』を読め、と学校の授業でよく言われました。
広告や記事構成も、遊び心があって見ていて楽しい。写真がドンと紙面いっぱいに載っていたり、記事のページ割も独特です。学習にエンジンをかけたい時は、美麗な写真を見て気分を上げましょう。
個性的すぎて読みづらい記事もあったりしますが、これもヘッドライン、もしくは直感で面白そうな記事を探してみてください。
TIME(タイム)を見る
多聴多読マガジン
発行日:隔月刊(奇数月)
英語の難易度:
内容の面白さ:
お勧めレベル:初級者・中級者・上級者
トピックの切り口が独特
洋書ではなく、ちょっと変わった英語学習雑誌です。個性的で現代的。しかも学習要素もりもり。
タイトル通り「多聴」「多読」、そして「口を動かす」ことが目的。「聴く」「読む」の他、シャドーイングで「口を動かす」までカバーしている。
スピーキングは、口を動かすトレーニング問題やテストがあり。英語音声はダウンロードできる。
リーディングは、短いものから始めて段階的にレベルを上げていく方式。本格的な英語講座のような作り。
読み方・使い方
特集記事のトピックが、毎号非常に斬新で面白い。「ネコと英語」だったり「推しのアニメを英語で語ろう!」だったり、刺さる人にはかなり刺さるのではないでしょうか。
「話す」というアウトプットに積極的に取り組んでいる英語学習誌は少ないと思います。英語講座を利用せずに、学習誌で学びたい方に特にお勧めです。
多聴多読マガジン を見る
紹介された人もポイントが付く
一番ポイントがたまりやすく、1P=1円で還元率もいい