名詞の break の用法
名詞の break を、「中断」「終了」「亀裂」「好機」、大きく4つの意味に分けてみます。どれも、何かを破ったり打ち壊すイメージですね。
- break:
- 中断
- 終了
- 亀裂
- 好機
「中断」
この break は、何かを「中断している時間や期間」「合間」や「隙間」を表します。そこから「休憩」「休暇」の意味も出てきます。
「合間・隙間」の場合
「中断している合間」や、物理的な「何かと何かの隙間」のことです。
ad breaks(コマーシャル休憩)
ad breaks や commercial breaks は、「番組の合間のコマーシャル」で、よく複数の -s が付きます。
- Finally there was a break in the rain and we went out.
(ようやく雨が止んだので出かけた) - We could see the moon through a break in the clouds.
(雲の切れ間から月が見えた) - The track bends left through a break in the hedge.
(線路は生垣の隙間を通って左に曲がる)
「休憩・休暇」の場合
かつて、coffee break(コーヒーブレイク)という言葉を聞いた時、コーヒーを破くって何だろうと悩みました。ご存じの通り、break は「休憩」、すなわち、仕事と仕事の合間の休み時間です。
短い時間だけでなく「期間」についても言えます。たとえば、the summer break は「夏の休暇」。
a bathroom break(トイレ休憩)、a well-earned break(懸命に働いた結果として、取って当然の休暇)
a well-earned break はいわゆる「ご褒美休暇」。well-earned は「懸命に働いて勝ち得た」という形容詞です。有給休暇とはまた違うような…。
- She was on her lunch break.
(彼女は昼休み中でした) - She worked all day without a break.
(彼女は一日中休むことなく働いた) - We decided to have a short winter break in Paris.
(私たちはパリで短い冬休みを取ることにした)
イギリス英語で「学校の授業の合間の時間」を表す場合は、不可算名詞になり、a は付かない
- We were talking about it at break.
(休憩時間にそのことについて話した)
「終了」
何かの合間というより、「いったんそこで打ち切った」のように、「終了」を強調する場合もあります。ただ、終わったままではなく、別の何かが始まることを暗に示した「一時的な終了」です。
- This event represents a real break from tradition.
(このイベントは伝統からの真の脱却を表している) - We set out at the break of day.
(私たちは夜明けに出発した) - I wanted a clean break so that I could restart my life.
(人生をやり直すために、きっぱりと決別したかった) - You've been in your job for years ― it's time you made a break.
(あなたは何年も仕事を続けてきた。決別する時期だ)
the break of day や daybreak は「前の日と決別して新しい1日が始まる」ことから、「夜明け」の意味になります。
make a break for it(逃げる)
make a break は「決別する」。make a break for it だと「逃げる」「逃れる」です。
make a break for it をそのまま訳せば、「そのために決別する」。for it の it は、「自由」を表したり、ドアなど向かう場所を示します。make a run for it も同じ意味で、run のほうが一般的です。
run for の意味の色々と覚え方
run の基本は「走る」。run for は「何かを求めて走る」こと
- He was watching me carefully as though he expected me to make a break for it.
(彼はまるで私が逃げることを予期しているように、私を注意深く見ていた) - All of the prisoners who made a break for it were later recaptured.
(脱走したすべての囚人は後に再び捕らえられた)
「亀裂」
これは、破損したり、ダメージとしての「亀裂」「割れ目」です。動詞の break からも容易に推測できますね。
歌詞によくある「ハートブレイク」は heartbreak と1語です。英語では「とても悲しい気持ち」「傷心」の意味で、「失恋」に限定しているわけではありません。
- There's a break in the pipe.
(パイプに亀裂が入っている) - The X-ray showed there was no break in his leg.
(X線検査で、彼の足は骨折していないことが分かった)
「好機」
状況が改善したり、成功する機会のこと。好機が巡って来て、機運が高まることを示します。日本語の「ブレイクする」も、幸運をつかんで成功することですね。
- He's the director who gave her her first big break.
(彼は、彼女を初めてブレイクさせた監督だ) - It's often difficult for talented newcomers to get the break they deserve.
(才能ある新人がブレイクするのはしばしば難しい)
tough break(困難な状況)
反対に、bad break や tough break だと bad luck のことで、「不運」「困難な状況」です。
- We've had a few bad breaks along the way.
(途中、何度か不運に見舞われたこともあった) - John's had some tough breaks lately, between losing his job and getting in that horrible car accident just two weeks later.
(ジョンは最近、仕事を失い、そのわずか2週間後にひどい自動車事故に遭ったりと、厳しい状況だ) - Tough break, Tom. Better luck next time!
(残念だったね、トム。次は幸運を!)
最後の例文のように、相手の状況に対して、「残念だね」という同情を表すの場合もあります。
give me a break(勘弁して)
give 人 a break の break については、どの意味に分類されるのか正直分かりません。
「休憩を与える」「チャンスを与える」の意味で使われることもあります。加えて、主にアメリカ英語では give me a break というスラングになっています。
このスラングは、命令形で、「何かの迷惑な(または、ばかばかしい)言動をやめて欲しい」「いい加減にしてくれ」「勘弁してくれ」の意味。
うんざりした気持ちを表したり、許しを請うようなニュアンスですね。
- "Aren't you finished yet?" "Give me a break! I only started 10 minutes ago!"
(「まだ終わらないの?」「勘弁してくれ! 10分前に始めたばかりだ!」) - You, the night owl, are getting up at 5 AM tomorrow? Give me a break!
(夜更かしのきみが明日は朝5時起き? 勘弁してくれよ!) - "He says he went to Harvard." "Give me a break! I doubt he even graduated from high school!"
(「彼はハーバードに行ったと言ってる」「よしてくれ! 高校を卒業したかすら疑わしいよ!」)
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Merriam-Webster, Cambridge Dictionary, Writing Explained)
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