a piece of work(嫌な奴)
I must say, you're a real piece of work.
「本当にお前はどうかしてる」Cliffhanger(1993)
a piece of work:「嫌な奴」
a piece of work は「不快な人」「気難しい人」といったネガティブな意味や皮肉で使われます。イギリス英語では、通常 nasty(不快な)が付くので、分かりやすいですね。
ただ、アメリカ英語だと「とても驚くべき人、変わった人」も意味します。嫌悪や軽蔑というより、驚き呆れたり、時には称賛したりといった含みです。
日本語でも「嫌な奴」と表現しても、嫌悪の意味とは限りません。相手との関係や状況によって意味合いが変わって来るので、それと同じでしょう。
また、some(大した:皮肉の意味)や rather(かなり)、real(本当の)などが前に付いて強調されたりもします。
- He is obviously a nasty piece of work.
(彼は明らかに嫌なやつだ) - It soon becomes clear that he is rather a piece of work.
(彼がかなり嫌な奴だとそのうち分かる) - You're some piece of work, do you know that?
(きみは大したものだ。分かってるか?)
a piece of work の由来
work には「産物」の意味があり、a piece of work は、「作られた物のひとつ」です。piece にも「作品」の意味があるため、なんだか同じ意味の語が重複している感じもしますね。
「人」を表す意味で使われたのは、シェイクスピアの時代で、『ハムレット』に、“What a piece of work is a man!”(人間とはなんという作品なのだろう!)というフレーズがあります。
「神の作りしもの」というニュアンスで、もともとは称賛の意味で使われたそう。これが1900年代には、皮肉や軽蔑を込めた用法で使われ始めたようです。
名詞の work の5つの意味
work は、基本的に数えられない名詞です。「仕事」「務め」といった意味では、a や複数の -s は付きません。ただ「作品」や「創造物」、あるいは「工場」など、作られた物を表す時は、数えられる名詞になります。
- work:
- 仕事 不可算名詞
- (仕事の結果としての)産物 不可算名詞
- (芸術や音楽などの)作品 可算名詞
- 工場、機械の働き 通常、works
- すべての物 通常、the works
「仕事」
細かく分ければ、work はお金を稼ぐための「職」や「職場」だったり、「すべき務め」や「努め」、あるいはネガティブな意味での「仕事」「仕業」だったりしますが、「仕事」としてひとまとめで考えます。
特定の「仕事」を示す場合は、work でなく、可算名詞の job を使います。
- I'm still looking for work.
「職」の意味では the は付けない
(まだ仕事を探している) - I have to leave work early today.
「職場」の意味では the は付けない
(今日は早く仕事を上がらなければならない) - The art collection was his life's work.
(アートコレクションは彼の生涯の仕事だった) - The damage is clearly the work of vandals.
(この被害は明らかに破壊者の仕業だ)
leave work は「退職する(職を辞める)」ではなく「退社する(仕事を上がる)」
「産物」
「産物」は「仕事の結果として生み出されたもの」の意味です。微妙なニュアンスの違いですが、「(仕事の)産物」は数えられない名詞なのに対し、「(芸術)作品」は a が付いたり、works と複数形で使われます。
- Work produced on a computer tends to look more professional.
「産物」としての作品、作られた物
(コンピューターで作成された作品は、よりプロフェッショナルに見える傾向がある) - The book is a detailed and thorough piece of work covering all aspects of the subject.
「産物」としての作品、作られた物
(この本は、主題のあらゆる側面を網羅した詳細かつ完璧な作品だ) - Is this all your own work?
(これはすべてあなたの自作ですか?)
「作品」
こちらは、努力の結果として生み出された絵画、本、音楽などの「作品」。「産物」との線引きが難しいものの、不可算名詞か可算名詞かという大きな違いがあるため、あえて分けています。
- The film is based on an early work by Alan Moore.
(この映画はアラン・ムーアの初期の作品に基づいている) - Her portfolio includes published works in several magazines.
(彼女の画集にはいくつかの雑誌に掲載された作品が含まれている) - Beethoven composed his greatest works in the latter part of his life.
(ベートーベンは人生の後半に最高の作品を作曲した)
「工場」
factory(工場)を指したり、「人」ではなく「機械の働き」「機構」「メカニズム」を意味することもあり、この場合は、works と複数形で使われます。
- Raw materials were carried to the works by barge.
(原材料は荷船で工場に運ばれた) - If you take the back off this clock, you can see itsworks.
(この時計の裏蓋を外すと、仕組みが分かる)
「すべての物」
こちらは口語表現で、漠然とした意味です。「一セット」「付属するすべてのもの」といったニュアンス。the works の形で使われます。
- We went to the chip shop and had the works: fish, chips, gherkins, mushy peas.
(チップショップに行き、フィッシュ、チップス、ガーキン、マッシーピーをすべて食べた) - The bridegroom was wearing a morning suit, gloves, top hat ― the works.
(新郎はモーニングスーツ、手袋、シルクハットという一セットを着ていた)
『クリフハンガー』
- 監督:レニー・ハーリン
- 出演:シルヴェスター・スタローン、マイケル・ルーカー、ジャニーン・ターナー 他
ロッキー山脈に不時着した現金輸送機を巡って、犯罪組織と山岳救助隊が対決する。まさしく落ちた場所が悪かった。
映画は文字通り「崖でぶらさがる」ストーリーですが、cliffhanger は「(ドラマなどで)続きが気になる終わり方」の意味もあり。
(引用・参照元: IMDb, Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, Grammarist, The Phrase Finder)
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