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洋画イメージ
   

get canned(クビになる)

I come to you with what may be the preeminent discovery of the 20th century, the possibility of extra-solar life, and I get shit-canned for it?

「20世紀最大の発見かもしれない、太陽系外生命体の可能性を持ってきて、それで、俺はクビか?」The Arrival(1996)

意味

get canned:「クビになる」

 

この can は、「~できる」という助動詞ではなく動詞です。通常は「~を缶詰にする」の意味ですが、ここでは「~をクビにする」「~をお払い箱にする」というスラング。特にアメリカ英語で用いられます。

「クビにする」なら can、「クビになる」なら受身形なので get canned です。get shit-canned は、shit を付けることで口汚く憎々しさを込めた感じでしょう。

  • The new accountant got canned after a miscalculation cost the company hundreds of thousands of dollars.
    (新しい会計士は計算ミスで会社に数十万ドルの損害を与えて、解雇された)
  • They'll can me if they ever find out I came into work drunk yesterday.
    (昨日、酔っ払って出勤したことがバレたら、クビにされるだろう)
 

get the can と give the can

 

get the can や give the can は、どういう意味だと思いますか?

もちろん、普通に「缶を手に入れる」「缶を与える」の意味でも使います。それ以外に、あまり一般的ではないものの、get the can は「クビになる」、give the can は「クビにする」の用法もあります。

辞書を調べた限りでは、名詞の can に「解雇」の意味は載っていませんでした。そもそも動詞にしても、「缶詰にする」「缶に入れる」がどうして「解雇する」になったのか、起源ははっきりしません。

日本語でも「お払い箱」と言いますが、それと同じ感覚で、英語では「箱」ではなく「缶」になったようです。

  • I got the can last week.
    (先週クビになった)
  • The company gave him the can without explanation.
    (会社は説明もなしに彼を解雇した)
get cannedのイメージ
 

in the can(完成した)

名詞の can を使ったスラングは他にもいくつかあります。

in the can「完成して準備が整った」状態を表します。もとは映画製作から来た言葉で、can はリールを運ぶ缶のことだとか。リールが缶の中にあれば、映画が完成したことを意味します。

  • The contract is almost in the can.
    (契約はほぼ完了した)
  • With the last chapter of his novel in the can, he decided to celebrate with a bottle of champagne.
    (小説の最終章を書き上げ、彼はシャンパンで祝杯をあげることにした)
  • We've got the interview in the can.
    (インタビューはもう終わっている)

ただし、can はスラングで「刑務所」や「トイレ」の意味もあるため、「刑務所に入っている」「トイレに入っている」の場合も in the can です。

  • My uncle spent five years in the can for money laundering.
    (私の叔父はマネーロンダリングで5年間刑務所に入った)
  • He can't come to the phone; he's in the can.
    (彼は電話には出られない。トイレにいる)
 

kick the can(先延ばしにする)

kick the can (down the road) は、「難解な問題について、取り組むのを先送りする、延期する」

  • I don't think we should kick the can down the road and let our grandkids solve that problem.
    (私はこの問題を先延ばしして、孫たちに解決させるべきだとは思わない)
  • It looks as though Congress is going to kick the can on the debt ceiling issue again.
    (議会は債務上限問題について再び延期するつもりのようだ)
 

kick the can の由来

 

kick the can down the road というフレーズは、1980年代に米国議会で初めて使われたようです。由来については諸説あり、それについての面白い記事がありました。

 

1. 缶蹴り説

 

ひとつは、「缶蹴り」から来たというもの。缶蹴りは、鬼が缶を守りながら、隠れている他の人を見つける遊びです。鬼に見つかれば、その人は捕まって缶の近くに連れて行かれます。鬼が缶から離れた隙に、鬼に見つからず他の人が缶を蹴れば、捕まっていた人は皆逃げることができます。

缶が蹴られてしまったら、鬼は缶を立てて、もう一度初めから探さないといけません。このことから「先延ばしにする」の意味で使われ始めたとか。

 

2. 缶を蹴りながら歩く説

 

この説が、一番受け入れられているかもしれません。道で戯れに缶を蹴りながら、目的地まで歩くというもの。普通に歩くより、目的地に着くまで時間が掛かります。

 

3. 缶を隣家に蹴り入れた説

 

こちらは「?」なんですが、家の近くの道路に缶が捨てられていたため、それを隣家に向けて蹴り飛ばしたというもの。こうなると、缶の始末は隣家の責任です。ゴミを他人に押し付けるというとんでもない行為で、自分の責任の一時逃れ、先延ばしを意味します。

 

can of worms(厄介な問題)

これはもう想像したくもないけれど、 can of worms は「釣り餌用の虫の入った缶」です。「非常に複雑で困難、または扱うのが不快な問題」の意味。暗に「缶を開けない方がいい」という含みです。

  • This political scandal is a real can of worms. Let's not open that can of worms!
    (この政治スキャンダルは本当に厄介だ。扱わずにいよう!)
  • Getting involved in the minor border conflict has become a can of worms for the country.
    (小規模な国境紛争に関与することは、国にとって厄介な問題になっている)
  • When you brought that up, you opened a whole new can of worms.
    (その話を持ち出した時点で、あなたはまったく新しい厄介事を招いた)
 

carry the can(責任を負う)

主に、「自分(だけ)の過失ではないことに対して責任を取る」ことを言います。もとは軍の表現で、兵士たちのためにビールの入った缶を取ってくる役目を負う人を指したそう。

  • It annoys me that I was the only one who carried the can for that defeat.
    (あの敗戦の責任を負ったのが私だけだったことが腹立たしい)
  • He has been left to carry the can for a decision he didn't make.
    (彼は自分が下した決断ではないのに、その責任を負わされた)
  • As usual, I was left to carry the can.
    (いつものように、その責任を負わされた)
『アライバル/侵略者』
  • 監督:デヴィッド・トゥーヒー
  • 出演:チャーリー・シーン、テリー・ポロ、ロン・シルヴァー 他

地球外生命体が既に地球にいるのでは、というストーリーですが、そのエイリアンがどういう目的なのか、既にネタバレになっている日本語タイトル。

Prime Videoで『アライバル/侵略者』(字幕版)を見る

(引用・参照元: IMDb, Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, The Idioms, Collins Dictionaries, LDOCE, Merriam-Webster)

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