bust one's ass（必死に頑張る）は卑俗語でも意味は良

bust one's ass（必死に頑張る）

I paid my dues. I had to bust my ass to get my transfer.

「俺は苦労して経験を積んだ。異動するために、がむしゃらに頑張らなきゃならなかった」Predator 2（1990）

意味

bust one's ass： (卑俗)「必死に頑張る」「懸命に働く」

bust は「打ち壊す」。ass は「尻」の卑俗語で、そのまま訳すと「～の尻を打ち壊す」。「打ち壊す」とまではいかないけれど、日本語でも「頑張らせる」の意味で「尻を叩く」と言ったりします。それと似てますね。

「身を粉にして働く」という言葉もあり、「粉骨砕身」も「骨を粉にして身を砕く」なので、「打ち壊す」に近いイメージでしょう。

You're going to have to bust your ass if you want a place on the varsity team.
（代表チームに入りたければ、必死で頑張らないといけない）
I've been busting my ass all night long to get this presentation ready for tomorrow's meeting.
（明日のミーティングのために、徹夜でこのプレゼンの準備をした）

主語と one's が同じ人物、つまり「自分の尻」なら「自分で自分の尻を叩く」となって、「必死に頑張る」の意味です。では、ass が自分の ass でない場合はあるのでしょうか？

これについては、The Free Dictionary にだけ載っていて、他の辞書では見当たらなかったので、あまり使わない用法なのかもしれません。「自分ではない誰か他の人」の ass を「打ち壊す」場合、それこそ「尻を叩く」です。

The boss is busting everyone's ass to get the project ready by next week.
（上司は来週までにプロジェクトを準備するよう、皆に厳しく言っている）

他にも、「必死に頑張る」「がむしゃらに頑張る」のイディオムはいくつかあります。

bust one's chops は、「口うるさく言ったり批判したりする」の意味でも使われます。

Your blog is great but I have to bust your chops a little over this post.
（あなたのブログは素晴らしいが、この記事については少し言わないといけない）
My brother likes to bust my chops.
（弟は私に小言を言うのが好きなんだ）

最初の台詞の中にあった pay one's dues も、「一生懸命頑張って経験を積む（そして成功する）」です。

due は形容詞だと「当然支払うべき」、名詞だと「当然支払われるべきもの」。dues と複数名詞の場合は「会費」「手数料」といった料金の意味になります。

「会費を支払う」というのは「成功するためにお金を払う」ことで、pay one's dues の場合は、「お金」でなく「自身の努力」を支払うわけです。

As a young actor, he paid his dues in small roles.
（若手俳優として、彼は小さな役で出世を果たした）
She is incredibly qualified and has paid her dues to become president.
（彼女は信じられないほど有能で、大統領になるために必死に努力してきた）