1. after、ago、in、later の意味
それから〇年後とは?
映画やテレビドラマを観ていると、ストーリーの中で場面が変わって「〇年後、〇ヶ月後」というテロップが出てくるのを時々目にします。時間の経過を告げる場面転換のお決まりのパターン。
この「〇年後」を英語で言う時、どんな語を使いますか? おそらく、after、ago、in、later あたりが候補に上がるのではないでしょうか。それぞれをひとつずつ検証してみます。
after と ago
after の意味
- later than something:
何かの後に 前置詞 - afterward(s), at a later time:
その後、後に 副詞
前置詞の after は「~の後に」。物理的な意味もありますが、時間的にも「何かの後に」です。
- We'll leave after lunch.
(昼食の後に出発する) - They arrived shortly after 5.
(彼らは5時少し過ぎに着いた) - It's ten after seven in the morning
(朝の7時10分だ)
after は、「ある時」の後に、という使い方なので、「〇年後に」のようには使えません。
副詞の after もあるものの、たいていは前置詞です。副詞なら、afterwards(その後)を使う方が一般的。after 単独ではなく、たとえば ever after(その後ずっと)のように、副詞句の一部として使うことはあります。
- And they all lived happily ever after.
(そして、その後ずっと幸せに暮らしました)
- after:
- after+〇〇 の形で「〇〇の後に」
ago の意味
- back in time from the present:
現在よりに前(過去)に 副詞
日本語で「前」「先」「後」と言うと、ごっちゃになりそうですが、ago は現在から見て「過去」を言う、単純過去の表現です。他の3つとはベクトルが逆向き。「〇年後に」と反対の方向に向かってますね。
- Her husband died 2 years ago.
(彼女の夫は2年前亡くなった) - The letter came a few days ago.
(手紙は数日前に届いた)
- ago:
- 〇〇(時間の長さ)+ago の形で、現在より「〇〇前に」
in の用法
- during a period of time:
ある期間 前置詞 - for a period of time:
ある時間内に 前置詞 - at the end of a period of time:
ある時間経った後に 前置詞
時間を表す in は、上の3つの意味があります。
ある期間
- This is the first cigarette I've had in three years.
(これは3年ぶりのタバコだ)
「3年間で初めてのタバコだ」 - I haven't seen him in years.
(もう何年も彼に会っていない)
ある時間内に
- Can you finish the job in two weeks?
(2週間で仕事を終えられるか?) - I can run a mile in 5 minutes.
(私は1マイルを5分で走れる) - He explained the whole system in about 30 seconds.
(彼は約30秒でシステム全体を説明した)
ある時間経った後
- I'll be seeing Pat in a few days.
(数日後にパットに会うでしょう) - It will be ready in a week's time.
(1週間後には準備できるだろう) - We'll all be dead in a hundred years so there's no point worrying about it.
(100年後にはみんな死んでいるんだから、心配してもしょうがない)
「~経った後に」は、現在から見て「~経った後」です。この意味では、in~'s time という言い方もします。単数なら、in an hour's time(1時間後)ですが、複数の場合は in 2 hours' time(2時間後)のようにアポストロフィの位置が s の後です。
たとえば “Dinner will be ready in ten minutes.” は、「夕食は10分内でできる」とも「夕食は10分後にできる」とも取れるけれど、これが in ten minutes' time だと、「10分後にできる」になります。
- in:
- in+〇〇(時間の長さを言う語)の形で、現在から「〇〇経った後に」
later の用法
- at a time in the future or after the time you have mentioned:
後で、またはある時点より後に 副詞
形容詞は、「後の」という意味になり、名詞を修飾する用法しかありません。
- She found happiness in her later years.
(彼女は晩年、幸せを見つけた)
副詞の later は、単独で使えば「後で」の意味。時間を表す語と合わせて使うと、特定の時点から「ある時間が経った後」のことを言います。
- I'll see you later.
(後で会おう)
現在より後に - She later became a doctor.
(その後、彼女は医者になった)
ある時点より後に - He became Senator two years later.
(彼は2年後上院議員になった)
過去のある時点から2年後 - I met her again three years later.
(彼女と3年後彼女と再会した)
過去のある時点から3年後
- later:
- later、または 〇〇(時間の長さを言う語)+later の形で、ある時点から「〇〇経った後に」
in と later の違い
in とどこが違うかと言うと、in は「現在」から「その後」を表すのに対し、later は「ある時点」から「その後」を表す点です。in は「過去」のことを示せません。
- I'll be back in 2 hours.
(2時間後に戻ります) - I went back 2 hours later.
(2時間後に戻った)
では、最初に挙げたドラマの字幕などの「〇年後」という場合は、どうでしょう。
「現在」を起点として未来のことを言うなら、in。ただ、ドラマの字幕は「今まで映っていた場面から〇年後」という見せ方です。「現在」から見てその後を言う時は in でいいですが、「ある場面」からその後の場合は、later になります。