1. 確実性の度合いの違い
「きっと」「おそらく」「ひょっとすると」などなど、確実性を表す語は日本語でもたくさんあります。確実性の度合いは、辞書によってわりと異なるので、ざっくりした目安程度に留めてください。
2. 30~70%の確実性
maybe(もしかしたら)
maybe は may be (かもしれない)に由来し、確実性が低い言葉です。
perhaps とほぼ同じ意味で、確実ではないけれど、可能性はある 、といったニュアンス。確実性は、possibly (もしかしたら、ひょっとすると)と同程度です。
Maybe he'll be prime minister one day. (彼はいつか首相になるかもしれない)
I do think about having children, maybe when I'm 40. (40歳になったら子供を持とうとは思っている)
We go there maybe once or twice a month. (月に1、2回行くか行かないかくらいだ)
It will cost two, maybe three hundred pounds. (200ポンドか、あるいは300ポンドかかるだろう)
通常、maybe は文の最初に来ます が、文中の時もあります。「もしかしたら」と訳すと、おかしな日本語になることも多いため、「確実性が低い」ことを念頭に置いて、適宜工夫したほうがよいでしょう。
「提案」する場合
「確実性」というより「提案」 を示すこともあります。
Maybe we can meet for lunch next week sometime. (来週あたり、ランチでもご一緒しましょう)
Maybe you should tell her. (多分、あなたは彼女に話すべきだ)
perhaps(ひょっとしたら)
perhaps は、perchance (ひょっとすると、偶然に)から来ています。文頭でも文中でもOKです。
Perhaps he's forgotten. (ひょっとして、彼は忘れているかもしれない)
He had a difficult upbringing, which perhaps explains why he behaves like that. (彼は厳しくしつけられ、ひょっとすると、そのためにあのように振る舞うのかもしれない)
This is perhaps his best novel to date. (ひょっとすると、これは彼のこれまでで最高の小説だ)
「依頼」する場合
「ひょっとしたら」と訳してもよさそうですが、ニュアンスとしては丁寧な「依頼」や「提案」 です。
Perhaps it would be better if you came back tomorrow. (明日また来てくれた方がいいかもしれない)
Perhaps you would be good enough to let him know we are on our way. (私たちが向かっていることを彼に伝えてくれるでしょう?)
possibly(もしかしたら)
possibly も「あり得る」という程度で、確実性は低いです。文頭・文中のどちらにも来ます。
Possibly he will show up. (もしかすると、彼は現れるだろう)
She is always cheerful, which is possibly why people like her. (彼女はいつも明るく、それが好かれる理由かもしれない)
Last year, his mother died, possibly due to heart failure. (昨年、ことによると心不全が原因で母親が亡くなった)
can / could+ possibly の用法
possibly は「もしかすると」の他に、can / could を伴った別の用法がいくつかあります。もともと possibly は「可能性」と関連した語なので、can や could と共に使うことで、「できる」「できない」を強調する働きをします。
そのため、possibly がなくても、ほぼ意味が変わらない場合が多いです。
「できれば」という丁寧な依頼
Could you~? だけでも「~してくれますか?」という丁寧な依頼表現ですが、それに possibly を付けた言い方です。「できれば~してくれますか?」 と依頼したり尋ねたりします。
Could you possibly carry this for me? (できれば、これを運んでもらえますか)
Could you possibly meet me there tomorrow at ten? (明日の10時にそこで会えませんか?)
「あり得ない」ことを強調
「あり得ない」「(あり得ないのに)一体全体どうして」 という気持ちや、「どうあっても~できない」 という強い否定を表します。強い否定と言っても、couldn't を使えば、あくまで丁寧な否定です。
You can't possibly mean that! (そんなことを言うはずがない!)
What could possibly go wrong? (何がうまくいかないというのか?)
“Have another chocolate.” “No, really, I couldn't possibly .” (「チョコレートをもっとどうぞ」「いえ、本当に、結構です」)
ポイント
can't / couldn't possibly は「強い否定」だが、possibly can't / couldn't は「もしかしたら~できない」のニュアンスになる
possibly は「もしかしたら」の意味でもあるので、possibly can't / couldn't の語順なら、「もしかしたら~できない(だろう)」 です。
You can't possibly carry all those bags. (あの荷物を全部運ぶのは到底できない)
You possibly can't carry all those bags. (もしかしたらあの荷物を全部運べないかもしれない)
「できる限り」の意味
can や could を強めて、「できる限り」「可能な限り最大限まで」 というニュアンスを加えます。
We did all that we possibly could to persuade her to come. (私たちは彼女を説得するためにできる限りのことをした)
I will come as soon as I possibly can . (できるだけ早く行くつもりだ)
We don't want these rumours to spread if we can possibly avoid it. (できることなら、このような噂が広まることは避けたい)
I don't see what more he could possibly do. (これ以上、彼に何ができるのか分からない)
can と possibly の順番については、 can possibly も possibly can もありますが、can't の時と違い、possibly を「もしかしたら」の意味でとらえてもそれほど意味は変わりません。
possibly :
確実性は低く、文頭にも文中にも来る。can possibly も possibly can もどちらもある
3. 70~90%の確実性
probably(おそらく)
probably は、確実ではないけれど確実性が高い場合です。「多分」「おそらく」「十中八九」 の意味ですね。『幸せのちから』という映画に、まさにそのことを言う台詞があります。
Probably means there's a good chance. Possibly means we might or we might not. 「probably は、可能性が高いという意味だ。possibly は、そうなるかもしれないし、ならないかもしれない」The Pursuit of Happyness(2006)
probably も、文頭や文中に来ます。
助動詞が複数ある時は、最初の助動詞の後 。ただ、not の前に来るのが原則 のため、否定文だと probably の位置が入れ替わります。
He will probably come soon. (おそらく彼らはすぐ来るだろう)
You're probably right. (おそらくその通りだろう)
They probably won't help. (おそらく彼らは助けてくれないだろう)
They probably don't want you to go. (おそらく、彼らはあなたに行ってほしくないのだろう)
作文する時、probably の位置を考えるとややこしいかもしれません。分からなくなったら、文頭に持って来れば問題なしです。
Probably it was just my imagination. (おそらく気のせいだろう)
You probably think I'm crazy for trusting him. (彼を信頼している私を、あなたは多分クレイジーだと思うだろう)
They've probably been asked to leave. (おそらく彼らは去るように求められていた)
probably :
確実性は高く、文頭にも文中にも来る。文中の場合、原則は最初の助動詞の後、ただし not の前に来る
4. ほぼ100%の確実性
certainly(確かに)
certainly は「確かに」「疑いなく」 のように、「ほぼ確実」な気持ちを込めて使われます。
Certainly , the early years are crucial to a child's development. (確かに、幼児期は子供の成長にとって極めて重要だ)
Without treatment, she will almost certainly die. (治療を受けなければ、彼女はほぼ間違いなく死ぬだろう)
She was certainly attractive. (彼女は確かに魅力的だった)
That certainly isn't true. (それは確かに真実ではない)
位置のルールは、probably の時とだいたい一緒ですが、ひとつ違う点があります。probably は最初の助動詞(または be動詞)の後なのに対し、certainly は助動詞(または be動詞)の前でも後でもOK です(ただし、たいていは後)。
He will certainly be able to offer you advice. 最初の助動詞の後 (きっと彼はアドバイスをしてくれるだろう)
The roadway certainly could be widened. 最初の助動詞の前 (車道は確かに広げることができる)
certainly :
「ほぼ確実」で、文頭にも文中にも来る。文中の場合、最初の助動詞の前でもいい
surely(確かに)
アメリカ英語では、certainly と surely は同じように使うものの、イギリス英語では surely に「同意を求める」気持ち を込めています。「ほぼ確実だ」というより、「ほぼ確実だよね」と賛同してもらいたいニュアンスです。
同意を求める気持ち
Lisa will surely find a solution to the problem. (リサはきっと問題の解決策を見つけるよね) 同意して欲しい気持ち
Surely this is against the law. (確かにこれは法律違反だよね) 同意して欲しい気持ち
驚きの気持ち
また、特に否定の疑問文で、「信じたくない」という驚きの気持ち を込めて使われます。「きっと~ではないよね?」と言いつつ、実際には「きっと~だろう」と思っていたり、事実として分かっている時の言い方です。「まさか」といった気持ち。
Surely you don't think I was responsible for this? (まさか、私にこの責任があったと思ってないよね?) そう思われているだろうと分かっている
You're surely not thinking of going, are you? (まさか行くつもりじゃないよね?) 行くつもりだろうと分かっている
Surely she's not interested in a job like that? (まさか彼女はそんな仕事に興味はないよね?) 興味があることに驚いている
surely :
「ほぼ確実」であることに同意を求めたり、驚きの気持ちを表す。文頭にも文中にも来る
そういった含みなく「確かに」と言いたければ、certainly を使います。
含みなし
The meal was certainly too expensive. 「食事は確かに高すぎた」
含みあり
The meal was surely too expensive? 「食事は確かに高すぎたよね?」
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Collins Dictionary)
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