1. indifferent は different の反対?
よく形容詞に接頭辞 in- が付くと、「~ない」という風に、それに続く言葉が打ち消されたり、反対の意味になったりします。
- dependent(依存した)/ independent(独立した)
- efficient(効率のよい)/ inefficient(効率の悪い)
例を挙げると、それはもう多数。in- が頭に付けば否定のニュアンスになるので、元の単語を知っていれば、辞書を引かなくとも推測できます。
ところが、そうでない場合も結構あり。indifferent は、その一つです。
無関心な indifferent
- different(異なった)/ indifferent(無関心な、あまり良くない)
語源的には、in-('not' の意味)+ different、すなわち「差異がない」「違いがない」というところから、「好きでも嫌いでもない」になり、「無関心な」に転じたようです。限定用法は少なく、たいていは叙述用法です。
「無関心な」
叙述用法では、indifferent to、または indifferent about の形で、「~に無関心な」「~についてはどうでもいい」。
- She's indifferent to money. 叙述用法
(彼女はお金に無関心だ) - Most staff were indifferent about the plans. 叙述用法
(ほとんどのスタッフはその計画に無関心だった) - He found it very hard teaching a class full of indifferent teenagers. 限定用法
(彼は無関心な10代の若者たちばかりのクラスを教えるのはとても大変だと分かった)
「あまり良くない」
また、indifferent は not very good(それほど良くはない)の意味でも使われます。特に悪いわけでなく、可もなく不可もないといったラインです。同意語は mediocre [mìːdióukər](平凡な、可もなく不可もない)。
- We enjoyed the day, in spite of very indifferent weather.
(あまり天候はよくなかったが、一日楽しんだ) - He suffered from indifferent health.
(彼は健康状態がそれほど良くなかった)
different の用法
different は、「異なった」「別の」の意味で、名詞の前に来ることもよくあります。
- That's a different issue altogether.
(それはまったく別の問題だ) - We're helping society in many different ways.
(私たちはさまざまな形で社会に貢献している)
「~と異なる」
「~と異なる」と言いたい時は、different の後に from、to、than のどれかを付けます。正式なのは、from。日常会話では different to でも構わないものの、文章やフォーマルな場では different from のほうが無難です。
- different from:
- 英・米で最も一般的、正式な言い方
- different to:
- 主にイギリス英語
- different than:
- 主にアメリカ英語
- Health is different from physical fitness.
(健康は体力とは違う) - It's slightly different to what I'm used to.
(私が慣れ親しんでいるものとは少し違う)
than は少数派ですが、イギリスでも使われるようになってきたとか。特に、後に名詞節が続く場合、than だと what や how を省略できるため、好まれるそう。
- She looked different than I'd expected. what は省略
(彼女の見た目は、期待していたのと違った) - She looked different from what I'd expected. what は省略できない
「~について異なる」
different の後に with が続く場合があります。これは「~と異なる」ではなく、「~について異なる」。どんな点で異なるのか、異なる部分に焦点を当てた言い方です。
- different with:
- 「~によって異なる」「~について異なる」
- His style was different with the hat.
(彼のスタイルは帽子に関して異なった) - The performance is different with each person.
(パフォーマンスは人によって異なる)
「普通ではない」
たいてい叙述用法で、「普通ではない」「他と違う」の意味で使われます。
- Her methods are different, but effective.
(彼女のやり方は変わっているが、効果的だ) - The decor in this theater is really different.
(この劇場の内装は本当に変わっている)
very different と no different
very different(大違いで)
違いが大きいことを言うには、very different(大違いで)や quite different(まったく違って)。much different とは言いません。
- Their customs are very different from ours.
(彼らの慣習は我々とは大違いだ) - Their customs are much different from ours.
ただし、否定文の場合は、not much different もOKです。意味は、「あまり変わらない」「大差ない」。similar(同様の)ということですね。
- The new model is not very different from the old one.
(新しいモデルは古いものとそう変わらない) - The new model is not much different from the old one.
much はおもに不可算名詞に付き、否定文や疑問文で使うことが多い
no different(まったく違わない)
no different は「まったく違わない」。alike(よく似た)の意味です。not different とは言いません。
- He was no different from any other child his age.
(彼は同じ年の他の子供と何ら変わらなかった) - He was not different from any other child his age.