1. credit と debit のカード
デビットカードは、使われてますか? クレジットカードはともかく、デビットカードは作らない人が多いのかも。
credit card(クレジットカード)は後払いができるカード、debit card(デビットカード)は、即時支払うカードです。
クレジットカードは、カード会社が代金を一旦立て替える体裁。立て替えられた代金は、カード会社指定の支払い日に、口座から引き落とされます。言ってみれば、「信用」に基づいて、カード会社からお金を借りるということ。
一方、デビットカードは、購入時点で口座から代金を引き落とす体裁。その場で代金を支払うのと同じです。カード会社にお金を借りるわけではなく、基本的に口座残高を超えて使うことはできません。
準備運動だ。ここを押さえておくと、credit と debit の違いが理解しやすい
2. credit は振込、debit は振替
credit は「口座への入金」
動詞の credit は、「口座に入金する」「振り込みをする」。
- $500 has been credited to your account.
(あなたの口座に、500ドル入金された)
- The bank credited your account with $500.
(銀行があなたの口座に、500ドル入金した)
口座に「入金する・入金される」ことが「振込」です。
振り込みされれば、当然口座残高は増えます。ただそれは、「収入」であって「利益」になるとは限りません。「入金」という事実があるだけ。一時的に入ってきても、後で返さなければいけないお金の場合もあるでしょう。
クレジットカードが、まさにそれ。商品・サービスを購入する時点では、お金はかかりません。お金を立て替えてもらって、何かを買うわけです。
一旦あなたの口座にお金が振り込まれる(credit)ようなもの。そして、後にその分が差し引かれます。
debit は「口座から引落し」
debit は「(お金を)口座から引き落とす」「振替をする」。
- The money will be debited from your account each month.
(あなたの口座から、毎月お金が引き落とされる)
- The bank debited your account with the amount of your purchase.
(銀行があなたの口座から、買い物代金を引き落とした)
口座から「引き落とす・引き落とされる」ことが「振替」。
「振込」は自分でも他の個人でもできますが、通常「振替」は企業等が行うものです。企業が金融機関に振替請求すると、金融機関があなたの口座からお金を差し引いて、請求した企業に渡します。よって、口座残高は減ります。
デビットカードは、クレジットカードのようにお金を一旦振り込んでくれるわけではなく、あなたがカードで何かを買うたび、口座からお金が引き落とし(debit)されます。
余談になりますが、credit は簿記で言うところの「貸方」、debit は「借方」です。
英語で見てみると、単純に口座残高が増えれば credit(貸方)、口座残高が減れば debit(借方)。「口座から引かれた金額(debit)」より「口座に入った金額(credit)」の方が大きければ、利益になります。
簿記については、検索すると他に詳しい説明が色々見つかる。そちらを見た方がいい
3. credit と debit の名詞
credit の意味
名詞の credit は、お金関連以外にも色々意味があります。お金関連だけでも、「(銀行からの)貸付金額、融資」「(銀行口座への)振込額」「(税金の)控除」など。
あまり難しくとらえず、どれも「口座への入金」と考えればよいかと思います。
「貸付・融資」は、口座に入金されても、後で返済しないといけないお金です。銀行(または他の企業)から見て「貸す」ため、日本語では「貸付」というけれど、「貸す」という言葉に惑わされないように。
自分から見れば「借りるお金」です。なので credit。自分の側に立って「貸す・借りる」のどちらだろうと考えれば、混乱せずにすみますよ。
「貸付・融資」の場合
- We propose to expand credit in order to create demand.
(需要を作り出すために、融資の拡大を申し入れる)
- The bank refused further credit to the company.
(銀行はその会社への追加融資を拒否した)
「控除」の場合
また、「控除」はよく耳にするものの、なんだかよく分からない言葉です。「金額を差し引く」という意味なので、「収入」が減ると思われるかもですが、「差し引く」のは、国などがこちらに請求するお金の方。
簡単に言えば、「控除」は、支払わないといけない(あるいは、すでに支払った)金額のうち、一部の金額が戻ってくること。支払った分のいくらかが返金される制度が「控除」で、返金される金額が「控除額」です。
自分側に入金されることを意味するため、これも credit になります。
- The child tax credit is subject to strict income limitations.
(児童税額控除には、厳しい所得制限がある)
tax credit は「全額控除」。上記の例文は、「児童税額控除」という難しい言葉を使ってますが、「子供を持つ親が支払った税金の一部が返金される制度」です。
これも余談ですが、源泉徴収票の「支払金額」は実際に「入ったお金(収入)」、一方「控除後の金額」は「課税対象になるお金」で、国がこちらに請求する金額を減らしてくれたことを意味します。
下の例だと、収入は100万円なので、本来100万円に対して課税されます。でも、90万円とみなしましょう、ということです。その結果として、支払わなければいけない税金額が少なくなるわけです。
debit の意味
どうせ debit のほうも、たくさん意味があるんだろ
debit は、credit ほどややこしくありません。「口座から出て行くお金」が debit です。
- The total debits on the account were £2 000 last month.
(先月の口座引き落とし総額は2,000ポンドだった)
- The company will no longer take monthly debits from your account.
(毎月の口座引き落としはなくなります)
「負債」「借金」を表す debt と語源が同じで、スペルも意味もよく似てますね。ただ、debit のほうはそれ自体、debt のようなネガティブな感じはしません。
といっても、フレーズによってはネガティブな意味になることもあり。
debit side と
credit side
on the debit side(悪い面では)
on the debit side は「(簿記の)借方側に」です。そこから、比ゆ的に「良くない面では」の意味でも使われます。特に、良い点を挙げた後で、「悪い面では」「デメリットは」のように好ましくないことを言うような場合です。
- Bikes are easy to park, but on the debit side they can be dangerous in traffic.
(自転車は駐車しやすいが、悪い面として、交通が危険だ)
- On the debit side the new shopping centre will increase traffic problems.
(一方では、新しいショッピングセンターは交通問題を増大させるだろう)
on the credit side(良い面では)
反対に、on the credit side は、悪い点を述べた後で、良い点を挙げる言い方です。
- On the credit side, she's always willing to work very late.
(良い面として、彼女はいつも遅くまで働いてくれる)
- The whole ordeal was really stressful, but on the credit side, our son now has dual citizenship.
(すべての試練は本当にストレスだったが、プラス面では、今息子は二重国籍を持っている)
direct debit と direct credit
direct debit(口座からの自動引落し)
debit に direct(直接の)が付いただけで、考え方は同じです。direct debit は、「口座からの自動引落し」「口座振替」の意味。
- We pay all our bills by direct debit.
(請求額はすべて自動引落しで支払う)
direct credit(口座への自動入金)
また、辞書には載っていないのですが、direct credit というものもあります。direct debit に対する 「口座への自動入金」「口座振込」 のことで、そういった送金システムを言います。
たとえば、会社が社員の給料を支払う際など、システムを使って自動振込するのが direct credit。
- You'll be paid by direct credit into your bank account.
(口座振込で支払われる)
ただし、direct credit という語はあまり一般的には使われません。
direct credit とか、会社側の話だから普通は関係ないよね
あるいは、個人が株式の配当金を自動振込にする場合もある
(引用・参照元: Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, LDOCE, DFC -Direct Debit vs Direct Credit)
英字新聞の再チャレンジガイド
挫折からの復活法。必要な2つのコトと3つのコツ
紹介された人もポイントが付く
一番ポイントがたまりやすく、1P=1円で還元率もいい