1. 8つのシャレた英語の小話
講義でもらった資料からの抜粋。出典を調べたのですが、分かりませんでした。ご存じの方がいれば、教えていただけると幸いです。
Did you eat all the cookies, Tom?
(トム、あなたクッキー全部食べたわね?)
I didn't touch one.
(触らなかったよ)
That's strange. There's only one left.
(変ね。ひとつしか残ってないのよ)
That's the one I didn't touch.
(それには触らなかったんだ)
one と the others の対比です。トムが食べたのは、the other cookies(その他全部のクッキー)。the one(残った一つ)については食べなかったので、嘘は言ってません。
I saw a man-eating shark at aquarium yesterday.
(昨日水族館で人食いザメを見た)
That's nothing. I saw a man eating herring in the restaurant.
(どうってことないよ。ぼくはレストランで人がニシンを食うのを見た)
文法的に言えば、ヴィクターの台詞は「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」の第3文型。スティーブは、「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)」の第5文型。
herring [hériŋ] は「ニシン」。man-eating は、書き文字にすれば「人食い」だと分かるものの、話し言葉だと I saw a man eating shark は「人がサメを食べるのを見た」とも受け取れます。サメを食べるのもなかなかだと思う。
I'got to get rid of Charlie, the chauffeur. He barely killed me four times !
(運転手のチャーリーを辞めさせないといけない。4回、私を殺しかけた!)
Oh, give him another chance.
(まあ、もう1回チャンスをあげて)
get to get rid of~ は「~を取り除く、追い出す」。chauffeur [ʃóufər] はフランス語で「(自家用車の)おかかえ運転手」。another chance とは、果たして何のチャンスでしょう。
Please close the window, son. It's cold outside.
(窓を閉めてちょうだい。外は寒いわ)
If I close the window, will it be warm outside?
(窓を閉めたら、外が暖かくなる?)
「外が寒いので、窓を閉める」と「外を暖かくするために、窓を閉める」は、同じようで同じじゃない。
Did you hear the story about the peacock?
(クジャクの話聞いた?)
Nope.
(いや)
It's a beautiful tale.
(美しい話よ)
peacock は「クジャク」、nope [nóup] は no のこと。tail(尾)と tale(話)は同音異義語。クジャクの羽は美しいので、beautiful tail(美しい尾)と掛けてます。
ところで、“Nope” は “No” の口語表現だというのに、わざわざ “No” に2文字付け足して長くしてるのは、なにゆえですか。
My brother earns a living with his pen.
(ぼくの兄さんは、ペンで生計を立ててるんだ)
Is he an author?
(お兄さんは作家なの?)
No, he raises pigs.
(いや、ブタを飼育してる)
earn a living は「生計を立てる」。pen は筆記具の「ペン」の他に、「畜舎(の中の動物)」「囲い」という意味もあります。
野球の bullpen(ブルペン)は bull+pen で、その意味の pen です。
How do you get holy water?
(どうやって聖水を得るのですか?)
You boil the hell out of it.
(水をしっかり煮沸するのです)
(the) hell out of は「ひどく」という強意のスラング。特に訳す必要はなく、You boil it.(それを沸騰させる)を強めたものです。the devil out of も同様。
boil the hell out of it を直訳すれば、「水から地獄を煮詰めてなくす」。実際、自分で holy water(聖水)を作るには、水(水道水でもOK)を完全に沸騰させて、悪魔祓いをし、純粋な塩を混ぜればよいようです。
Nice beaver !
(いいビーバーだ!)
Thank you. I just had it stuffed.
(ありがとう。ちょうど剥製にしたところなの)
映画『裸の銃を持つ男』(1988)のちょっとアダルトなシャレ。beaver は動物の「ビーバー」ですが、スラングで「女性の陰部」のこと。なぜその意味になったのか、起源は分かりませんでした。